2025年10月29日 前田明浩先生 特別講演会(予告)
タイトルは、『我が臨床、我が経営(仮題)』の予定です。
多くの会員の奮ってのご参加を期待しております。

演題 患者のための接着修復治療という選択肢
~コンポジットレジン・ジルコニア・CAD/CAM冠を臨床で用いるにあたって~
近年、患者の修復治療に対する審美的要求度が高まってきただけでなく、低侵襲な術式を望まれる声も多くなってきたことを実感する。その背景としてはMIコンセプトでメタルフリーな治療を具現化できる時代であると患者側に認識させるだけの情報がwebでは溢れているからに他ならない。
MIコンセプトに基づく接着修復治療は、従来から行われている金属を用いた物理的嵌合と合着に頼った修復治療とは大きく異なる。
特に健全残存歯質に対する削除量には歴然の差がみられる。
このことは、当該歯における治療後の予知性に大きく関係すると考える。
しかしながら最終修復物装着時の接着操作は、最終修復物の材料と支台歯の条件に合わせた歯面処理を必要とされるためにテクニックセンシティブでありテクニカルエラーによる失敗を起こしやすいのも事実である。本講演では、自らの臨床例を用いて基本的な接着修復治療に対する考え方やチェアーサイドでの勘所をお伝えしたい。
経歴
1965年 大阪市生まれ
1990年 大阪歯科大学卒業
1992年 大阪市阿倍野区にて脇歯科医院開設
日本臨床歯科医学会 会員 京都支部相談役
K-project 会員
阿倍野区学校歯科医会 副会長
モリタ実践歯科臨床プラクティスコース インストラクター
熊本歯科三水会では、経営と学術を高次元に融合しその両面から歯科界を牽引するMID-G最高顧問 荒井昌海先生を招聘し、特別講演会を開催しました。
講演会はシンギュラリティの話題からスタートしました。
デジタル化の波がどのような影響を生むのか?
よく『AIが人間から仕事を奪う』という話があるが、
そうではなく『AIを使う人間が、AIを使わない人間の仕事を奪う』時代になるという。
実際に荒井先生の歯科医院グループで、分業化をデジタルにて省力化を進めたところ、財政面でのメリットもさることながら、人事面の様々な変化による気づきが生じたと
話があった。元々荒井先生の率いるエムズグループの開業はエビデンスに基づき100名の社員から開設した医院であった。しかしながら、組織の成長に伴い150名を超えると、その組織は瓦解するという理論を知りながら、組織の成長に伴いうっかり170名になった時点で、組織の意思疎通に以前のような一体感がなくなったことを肌で感じ、社員を150名にすぐに戻したところ、再び一体感を取り戻すことができたというエピソードは大変興味深い話であった。
9つの医院の電話受付を1つのコールセンター3名で行う話、医院のスクラブ等洗濯物の回収補充物の管理等の担当部署、そして配送の費用等細かな解説があった。
勤務医を新たに採用する際の見学時には、医院の治療内容を見学してもらうときに、○○○○○を必ず装○の上で治療しているところを見せると、内定に繋がりやすいとのこと。
午後の部はデジタル化におけるiOSの世代変化と、医院の設備が具備すべきWi-Fi設備の解説があった。次に、ジルコニアの基礎的な解説と今後の展開について話があり、その後、熊本では中々見ることのない、他院All on 4の上部構造破折症例の光学印象による上部構造作成をオーストラリアとのやり取りで完成した症例提示、また、別症例でAll on 4支台インプラントの1本が骨吸収を起こしたケースに対し、十分な肉芽組織除去とリグロス+新インプラントの使用により、骨組織の回復安定を図った症例の解説があった。
最後に歯科医院経営における損益分岐の考え方と、M&Aにて医院売却を有利にするための
医院財務のあり方の解説がなされた。
前日の懇親会から、大変内容充実で濃厚な話題、講演に会員一同圧倒されました。
荒井昌海先生
東京医科歯科大学 卒業
同大学院 修了
エムズ歯科クリニック開院
日本口腔インプラント学会指導医
EAO認定医
大阪歯科大学客員教授
東京医科歯科大学非常勤講師
MID-G最高顧問