2024年5月15日豊田正仰先生発表(予告)
多くの皆様の奮ってのご参加を期待しております。
2月21日水曜日は例会が開催されました。
発表者:田中俊憲 先生 座長:伊東隆利 先生
タイトル:『広汎型慢性歯周病患者に根面デブライドメントを行った後に歯周組織再生療法を行った1症例』
患者は2017年初診55歳女性で、前医の歯周病治療の痛みや、治療後の歯肉退縮に不満があり、転院してきた。特に右上23間の空隙と歯肉退縮に不満が大きく、歯周外科処置にトラウマがあった。2度の再評価後、患者との信頼関係構築により、左上1は抜歯後インプラント修復、右下4、左上67は歯周外科(右下4:M-MIST)+リグロス(補填剤なし)にて再付着を獲得した。
術後3年、患者の経過は安定し、右上23間の空隙も軽度縮小、下顎前歯の根尖に及ぶ骨吸収も改善し、動揺も激減した。定期的なメンテナンスにより、現状を維持していく方針である。
参加者は12名。座長の伊東隆利先生の進行と、東先生の解説により、最新の歯周病分類と歯周外科の解説がなされました。
次回3月例会は27日水曜日開催で、嶋田英敏先生の発表(座長:添島英輔先生)を予定しております。
発表者:豊田正仰 先生(座長:東 克章 先生)にて、タイトル:「高齢患者のインプラント治療の一症例」の内容の発表がなされました。
2010年当時80歳の患者が右上欠損修復の主訴で来院し、右上57インプラント修復後、左下残存歯の問題がありながらも、家族と共に広島に移転、2018年再び熊本に戻られた時には左下の567は失われていた。
この左下の欠損症と高齢による認知症ある患者に対し、2022年左下567インプラント修復により口腔機能の改善を完了した。認知症状の悪化はなく、維持されたとのことで、年齢93歳での歯科治療は成功であった。
質疑応答では、術前ワックスアップと完成時の比較や、パウンドラインと上部構造、3本埋入インプラントの真ん中埋入部位のロストしやすい事等がディスカッションされた。
認知症の患者は今後増加することが考えられるため、歯科治療術前の評価と術後の評価により、認知症状がどう変化するのかについての今後の調査研究が必要と思われた。
参加者は9名であった。
11月例会は鎌田政彦先生によるマイクロエンドの発表がなされる予定です。
6月例会は、添島英輔先生の担当(座長:三村彰吾先生)で開催されました。
「薬物性歯肉増殖症を伴う重度歯周炎患者にインプラント応用した1症例」とのタイトルにて発表がなされニフェジピンによる歯肉の副反応について、内科主治医とのコミュニケーションと歯周病治療両面からの改善と、その後の修復治療につきディスカッションがありました。
東先生から、高血圧治療の内服薬変更もさることながら、バイオフィルムの継続的除去を徹底することが重要との見解が示され、3か月ごとに再評価を行い、歯肉縁下へのアプローチの是非につき意思決定を行うことが、基本的な流れであると提言されました。
補綴設計については生活歯の歯髄を残したままクラウンを提供するなど、秀逸な計画でした。
その一方で、下顎残存歯の予知性を考慮すればインプラントの本数や配置を工夫することでより長期安定性が高まったのではとの見解を田中副会長が示しました。
参加者は14名でした。
例会終了後は天草にて発表者と座長の慰労がなされました。
次回例会は7月19日を予定しております。
『顎堤吸収の著しい可動粘膜上のインプラント磁性アタッチメント義歯』の演題にて、古田洋介先生の発表がありました。
当日は15名の参加者にて無歯顎のリハビリテーションにつき、ディスカッションがなされ、インプラント磁性アタッチメントの効果について様々な角度からの検証がなされました。
例会後は、恒例の居酒屋『天草』にて、古田先生を囲んでの食事会があり、ざっくばらんな臨床の意見交換に花が咲きました。
次回は6月21日に、添島英輔先生発表の例会を予定しております。